人手不足やピーク時のオペレーション負荷を背景に、飲食店で急速に広がっているのがQRオーダー・モバイルオーダーシステムです。お客様が自分のスマホで注文できるようになると、注文取りの手間が減り、スタッフはほかの業務に集中しやすくなります。一方で「種類が多くてどれを選べばいいか分からない」「入れたはいいが自店の運用に合わなかった」という声も少なくありません。
本記事では、モバイルオーダーを代表的な3タイプに分類し、それぞれの特徴・メリット・向いている店舗を公正に比較。あわせて費用相場と失敗しない選定基準、導入メリットと注意点まで、飲食店オーナー・店長の目線で整理しました。特定の製品をやみくもに勧めるのではなく、自店に合う方式を見極めるための判断材料を提供します。
- テーブルQR型:席のQRから注文。追加コストを抑えやすく、居酒屋・レストラン向け
- 事前・持ち帰りモバイルオーダー型:来店前や店外から注文。テイクアウト・カフェ向け
- セルフオーダー端末型:店内の専用タブレットで注文。年齢層が幅広い店向け
- 選定は「費用・POS/決済連携・オペレーション・多言語・サポート」の5基準で
- 大事なのは「機能の多さ」ではなく「自店の運用とお客様に合うか」
QRオーダー・モバイルオーダーの3つのタイプ
「モバイルオーダー」はお客様自身のスマホや店内端末で注文する仕組みの総称です。用途や注文する場所によって、大きく次の3タイプに分けられます。それぞれに得意・不得意があり、「どれが優れている」ではなく「どれが自店に合うか」で考えるのがポイントです。
① テーブルQR型(QRオーダー)
初期を抑えやすい・席数課金が中心テーブルに貼ったQRコードをお客様が自分のスマホで読み取り、そのまま注文する方式です。専用端末を席ごとに用意する必要がないため、設備投資を抑えて導入しやすいのが最大の特長。注文はそのままキッチンやPOSへ流れ、追加オーダーもスマホから完結します。
向いている店舗:居酒屋・レストラン・カフェなど座席運用がある店/追加注文が多い業態/設備コストを抑えたい店
注意点:お客様のスマホ操作が前提のため、案内POPや店員のひと声で使い方をフォローする工夫が必要。スマホを持たない客層が多い店では、後述の端末型と併用する選択肢もある。
② 事前・持ち帰りモバイルオーダー型
テイクアウト・事前決済に強い来店前や店外から注文・決済を済ませ、店頭で受け取る方式です。テイクアウトやランチのピーク分散、行列の緩和に効果を発揮します。LINEやWebから注文できるものが多く、事前決済でレジ対応の手間を減らせるのが強みです。
向いている店舗:テイクアウト比率が高い店/カフェ・ベーカリー/ランチの回転を上げたい店/行列ができる人気店
注意点:店内のテーブル注文とは目的が異なるため、イートインの追加注文までカバーしたい場合はテーブルQR型と組み合わせる設計が必要になることがある。
③ セルフオーダー端末型
端末費用は要・幅広い客層に対応各テーブルや入口に専用タブレットを置き、お客様がその端末で注文する方式です。お客様のスマホ操作に頼らないため、年齢層が幅広い店や、スマホを出したくない場面でも使いやすいのが特長。大きな画面で写真も見やすく、注文ミスを減らせます。
向いている店舗:ファミリー層・シニア層が多い店/席数が多い大型店/メニュー写真をしっかり見せたい店
注意点:席数ぶんの端末費用・充電や管理の手間がかかる。テーブルQR型に比べて初期投資は大きくなりやすいため、席数と回収見込みを踏まえた検討が必要。
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タイプ別 比較表
3タイプの一般的な特徴を整理しました。※あくまで各タイプの傾向であり、個別製品により異なります。導入前に必ず実際の仕様をご確認ください。
| 項目 | テーブルQR型 | 事前・持ち帰り型 | セルフ端末型 |
|---|---|---|---|
| 初期費用 | 抑えやすい | 比較的低い | 端末費が発生 |
| 設備の手間 | 少ない(QRのみ) | 少ない | 端末の管理が必要 |
| 店内の追加注文 | ◎ 得意 | △ 対象外が多い | ◎ 得意 |
| テイクアウト対応 | 製品により対応 | ◎ 得意 | 店頭注文向き |
| 幅広い客層への対応 | スマホ操作が前提 | スマホ操作が前提 | ◎ 端末で操作しやすい |
| 人手削減効果 | 注文取りを削減 | レジ対応を削減 | 注文取りを削減 |
| 向く店舗 | 座席運用の飲食店 | テイクアウト・カフェ | ファミリー・大型店 |
主要なモバイルオーダー・QRオーダー5製品の比較
タイプの違いがわかったら、実際の製品を見ていきます。ここでは国内で使われている代表的なサービスを、各社の公式サイトに記載されている情報だけで並べました。調べてみるとわかりますが、この分野は料金を公開していない製品が多く、その場合は「非公開(要問い合わせ)」と正直に記載しています。
| 製品 | 注文するのは誰か | 初期費用 | 月額 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| ダイニー (dinii) |
お客様 (モバイルオーダー) |
非公開 | 非公開 | モバイルオーダーにPOSレジ・顧客管理(CRM)・予約台帳・勤怠管理まで含む統合型。個人店から大手チェーンまで対応 |
| Okage | お客様/スタッフ (両対応) |
非公開 | 非公開 | POSレジ・ハンディ・タブレットオーダー・店内/店外モバイルオーダー・セルフレジを組み合わせて構成できる |
| スマレジ・ ウェイター |
スタッフ (ハンディ) |
記載なし | スタンダード 0円 フードビジネス 15,400円(税込) |
無料プランがある。お客様が注文するセルフオーダーは「スマレジ・テーブルオーダー」として別オプション。ハンディ6台目以降は1台1,540円/月 |
| Airレジ オーダー ハンディ |
スタッフ (ハンディ) |
非公開 | 非公開 (新規申込特典で初年度0円になる場合あり) |
ホールスタッフが注文を取る方式。キッチンモニターと連携して注文を厨房へ自動送信 |
| ValueOrder (当社) |
お客様 (QR・卓上タブレット・LINE) |
0円 | 10,000円 (1店舗) |
QRオーダーに加えて順番待ち受付・テイクアウト事前注文・KDS・ハンディ・5言語対応まで含む。14日間の無料お試しあり |
※ 2026年7月時点で各社公式サイトに掲載されている情報をもとにしています。プラン・オプション・店舗規模によって費用は変わり、改定されることもあります。検討時は必ず各公式サイトおよび見積もりでご確認ください。
同じ「オーダーシステム」でも、お客様が自分で注文する方式(QR・セルフオーダー)と、スタッフが端末で注文を入力する方式(ハンディ)では、削減できる手間がまったく違います。ホールの注文取りそのものを減らしたいならお客様が注文する方式、注文の伝達ミスや厨房への手書き伝票をなくしたいならハンディ方式が合います。両方を組み合わせられる製品もあるため、自店がどちらを解決したいのかを先に決めると選びやすくなります。
モバイルオーダーの費用相場
費用は方式・席数・決済連携の有無によって幅があります。月額だけでなく、初期費用・決済手数料・QR/POP作成・既存POSとの連携費用まで含めた総額で比較するのが安全です。一般的な目安を整理します。
| 費用項目 | 目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 初期費用 | 0円〜数十万円 | 端末を用意する端末型ほど高くなりやすい |
| 月額費用 | 数千円〜数万円 | 席数・店舗数・機能で変動 |
| 決済手数料 | 決済額の数% | キャッシュレス・事前決済を使う場合 |
| 連携・カスタム費 | 要件により変動 | 既存POS・会員・在庫との連携時 |
「月額が安い」だけで選ぶと、決済手数料や連携費用で結果的に割高になることもあります。年間の総コストと、削減できる人件費・機会損失のバランスで判断しましょう。なお、POSレジそのものの選び方は飲食店のPOSレジ比較・選び方の記事でも詳しく解説しています。
失敗しない選定基準(5つのチェックポイント)
モバイルオーダー選びで後悔しないために、次の5点を自店の優先順位で評価しましょう。「機能が多い=良い」ではなく、自店に必要な機能が過不足なく揃うかが判断軸です。
① 費用(総額で比較する)
月額に加えて、初期費用・決済手数料・QRやPOPの作成費・連携費用まで含めた総額で比較します。席数課金なのか定額なのか、店舗が増えたときにどう変わるかも確認しておくと、後の拡張で慌てずに済みます。
② POS・決済との連携
注文データがそのままレジ(POS)や会計・キッチンに流れるか。連携できると、注文の二重入力や会計待ちが減り、オペレーション全体がスムーズになります。すでに使っているPOSがある場合は、そのPOSと連携できるかを最優先で確認しましょう。POSごと見直すならPOSレジアプリ「Change」との一体運用も選択肢になります。
③ オペレーションとの相性
テーブル管理・追加注文・コース・宴会・会計分けなど、自店の運用に合った注文フローを組めるか。既製の注文画面に運用を無理やり合わせると、現場に負担が生じます。繁忙時のオペレーションをイメージして確認しましょう。
④ 多言語・使いやすさ
インバウンドや幅広い客層に対応するなら、多言語表示・写真の見やすさ・シンプルな操作性が重要です。お客様が迷わず注文を完了できるかは、注文単価やクレームの発生にも直結します。実際の注文画面を触って確かめるのがおすすめです。
⑤ サポート体制
ピーク時に注文システムが止まると営業に直結します。導入時の設定支援・トラブル時の連絡手段・対応時間帯を確認しましょう。飲食現場を理解したサポートかどうかも、トラブル解決のスピードを左右します。
導入のメリットと注意点
導入で期待できるメリット
- 注文取りの負荷を軽減:お客様が自分で注文するため、ホールスタッフがほかの業務に集中しやすくなります。
- 注文ミスの削減:口頭伝達を介さず注文が直接届くため、聞き間違い・伝え漏れを減らせます。
- 追加注文のしやすさ:お客様が好きなタイミングで注文でき、機会損失を抑えられます。
- データ活用:注文データが蓄積され、人気メニューや時間帯の把握に役立ちます。
導入前に押さえたい注意点
- お客様への案内が必要:使い方が分からず注文できない状況を防ぐため、POPやひと声のフォローを設計します。
- 客層との相性:スマホ操作に不慣れな層が多い店では、端末型の併用や店員サポートを検討します。
- 通信環境:店内のWi-Fi・電波が不安定だと注文が滞るため、事前に環境を確認します。
- 効果は運用次第:導入すれば必ず売上や人件費が改善すると保証できるものではなく、オペレーション設計が成果を左右します。
連携に強い選択肢「ValueOrder」
当社が提供するQRオーダー・モバイルオーダーシステム「ValueOrder」は、テーブルのQRコードからお客様のスマホで注文・追加注文まで完結できるサービスです。専用端末を席ごとに用意しなくても始めやすく、飲食店の現場運用に合わせた設定ができます。
特徴は、QRオーダーだけで終わらないことです。順番待ちの受付・呼び出し、テイクアウトの事前注文、キッチンディスプレイ(KDS)、ハンディ端末までが同じシステムに入っており、機能ごとの追加契約が要りません。ブラウザの言語を判別して5言語に自動対応するため、インバウンドのお客様もそのままご案内できます。料金は1店舗あたり月額10,000円・初期費用0円で、14日間の無料お試しから始められます。
強みとなるのは連携の柔軟さです。当社はQRオーダーの「ValueOrder」だけでなく、POSレジの「Change」、LINE連携・会員管理の「AppLINE」、会員・予約管理の「Fit」など、飲食店のDXに必要な仕組みを自社開発しています。そのため「モバイルオーダー+レジ+会員管理を一気通貫で連携させたい」といった要望にも、同じ会社の中で対応できます。飲食店全体のDXの進め方は飲食店DXのページもあわせてご覧ください。ほかのサービスはサービス一覧から確認できます。
もちろん、すべての店舗にQRオーダーが最適とは限りません。テイクアウト中心なら事前注文型、幅広い客層ならセルフ端末型のほうが合うこともあります。当社では「無理にValueOrderを勧める」のではなく、自店にどの方式が合うかから一緒に整理するご相談を無料で承っています。
| ValueOrderが向いている店舗 | ほかの方式が合う場合 |
|---|---|
| 座席で追加注文が多い居酒屋・レストラン | テイクアウト・事前注文が中心 |
| 設備コストを抑えて始めたい | スマホ操作が難しい客層が大半 |
| POS・会員・LINEと連携したい | 注文システム単体で完結したい |
| 導入後も相談しながら育てたい | 最小構成で素早く試したい |
よくある質問(FAQ)
モバイルオーダーはお客様自身のスマホで注文する仕組みの総称です。そのうち、テーブルのQRコードを読み取って注文する方式を特に「QRオーダー(テーブルQR)」と呼びます。ほかに事前注文・持ち帰り予約に使うモバイルオーダーや、店内の専用タブレットで注文するセルフオーダー端末型もあります。用途によって最適な方式が異なります。
一般的に初期費用が0円〜数十万円、月額が数千円〜数万円が目安です。加えて決済手数料や、テーブル数に応じたQRコード・POP作成費、既存POSとの連携費用がかかる場合があります。テーブル席数・オペレーション・決済連携の有無で総額が変わるため、月額だけでなく年間の総コストで比較しましょう。
お客様が自分で注文するため、注文取り・伝票入力の作業が減り、ホールスタッフがほかの業務に集中しやすくなります。ただし効果は業態やオペレーションによって異なり、導入すれば必ず人件費が下がると保証できるものではありません。自店の運用に合った設計と、お客様への案内づくりが成果を左右します。
連携可否は製品の組み合わせによって異なります。注文データをそのままレジや会計に流したい場合は、対応範囲を事前に確認しましょう。POSと注文システムを同じ会社でそろえると、連携がスムーズになりトラブル時の窓口も一本化できます。
この分野は、店舗の規模・席数・必要な端末台数・POS連携の有無で構成が大きく変わるため、定価を出しにくく「要問い合わせ」としている製品が多いのが実情です。比較するときは、同じ条件(席数・必要な端末数・決済連携の有無)を書いた1枚のメモを用意して各社に同時に見積もりを依頼すると、同じ土俵で並べられます。その際、初期費用・月額に加えて、端末代・決済手数料・保守サポート費まで含めた年間の総額で聞くのがおすすめです。
QRオーダーだけに一本化せず、卓上タブレットやスタッフのハンディを併用できる仕組みを選ぶと安心です。ご高齢のお客様や団体客が多い店舗では、席によって注文方法を変えられる構成が実用的です。あわせて、テーブルPOPで読み取り方をわかりやすく案内し、スタッフが最初のひと声をかける運用をセットにすると定着しやすくなります。
まとめ
QRオーダー・モバイルオーダーは「テーブルQR型・事前/持ち帰り型・セルフ端末型」の3タイプに大別でき、それぞれに得意分野があります。選定のカギは機能数の多さではなく、費用・POS/決済連携・オペレーション・多言語/使いやすさ・サポートの5基準を自店の優先順位で評価し、「自店の運用とお客様に合うか」で判断することです。
座席で追加注文が多い飲食店ならテーブルQR型、テイクアウト中心なら事前注文型、幅広い客層ならセルフ端末型——と整理すると失敗しにくくなります。当社のQRオーダー・モバイルオーダー「ValueOrder」は、設備を抑えて始めやすく、POS・会員・LINEとの連携に強い選択肢です。「自店にどれが合う?」というご相談から、無料・デモ付きでお気軽にどうぞ。
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著者:株式会社キャンプネット 会社概要を見る →
2004年設立。飲食・小売・ホテル向けのPOS・モバイルオーダー・会員管理システムを自社開発。QRオーダー「ValueOrder」、POSレジ「Change」、LINE連携「AppLINE」などを提供。ISO27001認証取得。飲食店のDXを現場目線で一気通貫サポート。